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2009.01.17

「『芥川賞を取らなかった名作たち』を巡って」を巡る

芥川賞を取らなかった名作たち en-taxi v.24 en-taxi 第10号

芥川賞が決まり世の中が少し文学や本について気にするという書店員にとっては絶好の季節がやってきています。賞に関しては第1回の開催当初から現在の第140回までずっと賛否両論ありますが、出版界の大きなお祭りであることはに変わりありません。そんな芥川賞を別の角度からとらえる試みが本や雑誌の特集で組まれています。大きなお祭だからこそそこからこぼれ落ちたものが数多く存在して、実はそちらのサイドストーリーの方から眺めた方がもっと面白かったり、物事の本質にぐっと接近していたりします。
佐伯一麦『芥川賞を取らなかった名作たち』(朝日新書)は歴代の芥川賞候補作にスポットを当て「受賞に至らなくとも良いものは良い」と非受賞作の名作を紹介します。太宰治「逆行」、、木山捷平「河骨」、洲之内徹「棗の木の下」、小沼丹「村のエトランジェ」、山川方夫「海岸公園」、島田雅彦「優しいサヨクのための嬉遊曲」など11作。島田雅彦×佐伯一麦巻末対談、芥川賞候補作一覧(嬉しい!)も付いています。
『en-taxi v.24』最新号では「非芥川賞作品のピトレスクな耀き」を特集。坪内祐三×佐伯一麦「芥川賞を取らなかった名作たちを巡って」(両氏の推薦作品リストは注目)、南木佳士「かくも高きハードル---選考委員としての開高健」、車谷長吉「芥川賞と直木賞」、豊崎由美「なぜ二十回中、九回も「受賞作なし」だったのか」、高橋源一郎「非受賞作品のこと」、先の対談で2氏がとりわけすごい顔ぶれ(野口富士男や小沼丹や庄野潤三や小島信夫など)が並んだという第31回の候補作富士正晴「競輪」も再録。ちなみにその年の受賞作は吉行淳之介「驟雨」。
『芥川賞を取らなかった名作たち』で紹介された作品を中心としたフェアを近々開催致します。芥川賞作品それ以外にも視野を広げる格好のテキストとともにどうぞ。
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